廃車予定の都バスの扱いが揺れている
石原都知事の「ディーゼル車No」に始まり、三井物産のDPFデータ捏造で大事になってしまったこの一件、ふだんだったら一部の人を除けば気に止めなさそうなことまで、問題となることになってしまった。
知っている人は知っているだろうが、大都市圏とかでお役御免になったバス(鉄道車両もそうだが...)は、老朽化が著しければ解体となるが、程度のよいものは地方とか中小の業者へ払い下げられて使用される。系列間でのやり取り(小田急グループだと、小田急バス、神奈川中央交通から東海自動車とか。東急系列だと、東急バスから、群馬バス、函館バスとか。もっとも、群馬バス、函館バスは今は東急系列ではないけど...)も多いし、系列を飛び越えて(たとえば、名鉄系列の宮城交通に神奈川中央交通とか西武バスのバスが行くとか。西武バスは言うまでもなく、西武鉄道系。神奈川中央交通は小田急系)というのもある。趣味的には、懐かしいバスを意外なところで見つけて、けっこうしみじみしてしまうものがある。都バスの場合、地方公営企業なので、系列を飛び越えて、というパターンになるが。
さて、何がどう問題になってしまったのかと言うと、これはディーゼル車排ガス規制に関して石原都知事が大手運送業者をこう批判したことに事を発している。
「零細運送業者が自分の骨身をそいで(DPF装着に)協力してくれたのに、大手は東京では罰金も食らう自動車は他へ回している。そういう不均衡、不公平ってものを国は認識して、国全体に大きな網をかける姿勢をとるべきだ」
今回の都バスのやり方は、排ガス規制不適合のバスへの措置は「都知事が批判した大手業者のやり口と都バスではどこがどう違うのだ。まさに都知事が批判したことを都バスがやろうとしているのを看過する気か?」となってしまいかねないところにある。都のトラック協会の人の「知事があそこまで言うのだから、都バスもきっぱり廃車にせんかい」という批判ももっともに思えてしまう。
それに対して、「地方からの引き合いも多いし、まだ走れるバスを鉄くずにするほうが環境負荷が高い」(交通局)とか「地方にはもともと規制が無いのだから問題ない」(環境局)とか言って、相手が納得すると思うかねぇ? 特に環境局の言うことは大手運送業者のやり口を肯定しているのと同じなんだけど...
一バスマニアンとしても、こうまでやられてしまうと、都会で見かけなくなったバスを地方で見かけて感慨にふけることもできなくなりそうだ。
2005.03.25 追記
この話を聞いた石原さん、結局問題の車両は排ガス浄化装置を交換できた10台以外はスクラップにするよう指示を出したそうだ。
とはいえ、すでに40台くらいは買い手が付いていたと言う話。
これは、売買契約を白紙に戻すべく交渉する、と言うけど、車両代替を中古に頼らざるを得ない相手先にとっては寝耳に水の話だろう。車両代替計画が狂ってしまうから。
これを機会に交通局の位置付けが変わるかもしれないなぁ...
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