三菱ふそうバッシングの陰で気になっていること
三菱自動車(正確には現三菱ふそうトラック・バスに分社した大型車部門)の大型車でもろもろの欠陥が発覚し、なおかつ、会社ぐるみでそれを隠そうとしたことが大きな社会問題になっている。ここ最近は毎日のように何か新聞に記事が出ているような。トップは引責辞任する羽目になるは、欠陥隠しに関わった重役は逮捕されるし、それまで支援してきたダイムラー・クライスラーには距離をおかれるし、官公庁には指名をはずされるし、と散々である。同じ三菱グループ内で何とか支援をしようとしているが、支えきれるかどうか、という話もあったような。
という話はそれはそれで重要なのだが、じゃぱにーずばすまにあんなる私が気になっていることは、日本の高速バスネットワークに対する衝撃度はいかばかりだろうか、ということだ。というのも、高速バスでは三菱ふそうのバスがかなりの割合を占めているからである。石を投げたらふそうのバスにあたるといってもいいくらいに多いのだよ、実際。バス会社によっては、高速バスに限らずふそうのバスで統一、というところもある。沖縄バスとか名鉄バス(グループと言う単位で見れば、他メーカの割合も少なくないところもあるが、やはりふそうの割合は高い)。
やはり人命を預かる以上、これは捨てて置けない問題である。問題になっているのはトラックが多いようだけど、バスもトラックのコンポーネントを流用している部分がある(中型以下はコストの問題もあって、バスに比べて数のはけるトラックのコンポーネントを流用する割合が高い。大型の路線用や自家用のバスのようにエンジンを横倒しにせず、直立させたものが中型バスに多いのもそのせい。また、小型バスにキャブオーバータイプといってエンジンを前部に置き、運転席がその前にあるタイプが多いのもトラックがそうなっているから、といえる)以上、他人事ではないから。
これでバスにも欠陥が見つかろうものなら、日本の高速バス路線網は確実に混乱するよ。それまで、自分の乗っているバスのメーカーに気も払わなかったような人(ま、利用者はたいてい運行会社すらきにかけていないような感じだけど)まで、「え~、あの路線ふそうのバスなの? じゃあ、乗るのやめた」なんていう人が続々と出るかもしれない。乗客減→採算悪化(鉄道との対抗上、運賃を安く抑えているので、意外と採算のよくない路線は多い。最近は、大都市部と地方を結ぶような路線では、大都市部側の事業者が撤退して、地方の事業者のみ運行なんてパターンも多い。東急バスはそうして、空港連絡以外の高速バスからは撤退したし、国際興業も東北方面の路線は地方の系列の子会社のみの運行という例が増えている。大都市側の完全撤退とまではいかなくとも、京王バスでは夜行のみの路線は系列の西東京バスに移管しているし関東バスは子会社のケービーバスに移管している)→運行休止などとなる路線が出るかもしれない。高速バスで稼いできたところもある地方のバス会社には大きな痛手だろう。ふそう以外のバスを使っているところでもとばっちりを食らうところは出るだろうな、きっと。
長らく、大型車メーカーは「三強一弱」といわれてきた。「三強」とは、三菱ふそう、日野自動車、いすゞ自動車のこと、「一弱」とは、日産ディーゼル工業のこと。でも、今回の事件で、三強の一角は崩れてしまったことになる。いすゞ、日野の「二強」と三菱ふそう、日産ディーゼルの「二弱」となるのか、三菱ふそうが退場して、「二強一弱」となるのかは、なんともいえないが...
ああ、それにしてもなぁ...
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